Sunday, February 2, 2014

ニューヨーク大学フィレンツェ校

正式な数字は公表されておらず我々学生も推測することしかできないが、アブダビ校の学生のほとんどが4年間の全額奨学金を約束されている。それは授業料・寮費・食費・本国への往復航空券やお小遣いも付きさらにアブダビ以外の場所で合計1学年間海外留学する際の費用も含まれる。私の場合は去年1月はアルゼンチンのブエノスアイレス、今年の一月はイタリアのフィレンツェ、そして9月からはニューヨークへ秋学期・春学期を過ごす予定である。普通アメリカの大学は、12月中旬ぐらいから1月下旬ぐらいまで冬休みがあり3週間の冬学期は任意であるという。しかしアブダビ校では3週間の冬学期(私たちは1月に行われるのでJanuary Term、通称 J-termと呼んでいる)が特別な事情がない限り授業を履修しなければならない。冬休みは確かに約2週間と短いが、そのかわりプラハ・ロンドン・ガーナ・シドニー・上海・ブエノスアイレスなど五大陸に点在するニューヨーク大学のキャンパスへ留学できさらにその費用も無料なので文句は言えない。
赤外線カメラで撮影しています
ニューヨーク大学フィレンツェ校のキャンパス
ニューヨーク大学フィレンツェ校のキャンパス
そういう事情で私は3週間フィレンツェへ行く事となった。履修した授業は赤外線カメラで15〜16世紀のルネッサンス絵画を分析するというもの。January Termは特に著名な社会人が担当する事が多い。それはフルタイムで教授をしている時間はないけど、3週間だったらやってみたい!という方が多いからであろう。今回の私が履修した先生方もそうで、13人ほどのクラスをアメリカ国防総省で軍用に暗視カメラを開発していてその技術を絵画分析に応用している研究者とルネッサンス絵画の研究者の二人が担当してくれた。この授業はいわゆる教養課程の授業であり、少し専門的な事も学んだが学生が専門的な知識を会得するのが目的ではなく、テクノロジーとアートがどう実社会で交わるか実例を元に学ぶ授業である。テクノロジーとアートというとスティーブ・ジョブスを思い出すが、この授業では大まかにいうとテクノロジー面では赤外線を使い絵画がどのような色素を使い描かれたか分析し、アート面では赤外線カメラの画像や使われた色素を手掛かりに同年代の他の絵画と比較してどのような背景において描かれたか画家・依頼者は何を考えているのかなど考察するというものである。
ニューヨーク大学フィレンツェ校は、フィレンツェ中心部から車で15分の好立地にキャンパスを有する。1994年にイタリア系イギリス人で美術商で財を成したActon家より寄付されたものであり、フィレンツェの観光の名所の1つになっているという。(現に英語版ではあるがWikipediaにもそのNYU フィレンツェのキャンパスについての記事がある:http://en.wikipedia.org/wiki/Villa_La_Pietra)。寮もダビデ像が展示されている博物館そしてサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂から徒歩1分という素晴らしい立地にあり出歩くのを楽しんだ。またシーフードスパゲティーに生ハム、ジェナートに舌鼓を打ちながら短いフィレンツェ滞在を満喫した3週間であった。

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